先進医療ナビ
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検
基本情報
- 先進医療技術名
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検*
ふくくうきょうかせんちねるりんぱせつせいけん
- 適応症
早期胃がん
- 療養内容
がん細胞は、リンパの流れに乗ってリンパ節へ転移すると考えられています。胃がんの標準的な治療法は手術で、胃の切除とともに、関係する周囲のリンパ節を大きく取り除く「リンパ節郭清(かくせい)」が行われます。早期胃がんのリンパ節への転移率は10~15%ほどですが、画像検査だけでリンパ節への転移の有無を正確に判断するのは困難です。そのため早期胃がんでも、リンパ節転移の可能性が少しでもあれば、胃を大きく切除し、リンパ節も広めに取り除くのが一般的です。手術でがんが治っても、胃が小さくなったために一度に少ししか食べられなかったり、ダンピング症候群(摂取した食べ物が急速に小腸へ流れ込むことで、食後にめまい、発汗、脱力感などの症状が現れる)を起こしたりするなど、患者さんのQOL(生活の質)の低下が問題となっていました。
この先進医療は、早期胃がんに対して、腹腔鏡を用いたセンチネルリンパ節生検を行うものです。センチネルリンパ節はがん細胞が最初に到達するリンパ節で、ここに転移が認められなければ、ほかのリンパ節にも転移がないと考え、リンパ節郭清を省略します。
手術前に、トレーサーと呼ばれる色素と放射性同位元素(微量の放射線を出す物質)を、内視鏡でがん細胞の近くに注入します。それらが蓄積したリンパ節をセンチネルリンパ節とみなして、手術中に病理診断を行います。センチネルリンパ節への転移がないと診断された場合には、胃やリンパ節の切除範囲を縮小することで胃の機能の温存ができ、手術後のQOLの改善が期待されます。
- 療養の分類
検査・診断・評価
- 部位の分類
リンパ系/消化器系
- 悪性腫瘍(がん)の分類
消化器系のがん
- ※「*」印が付いている医療技術は、「先進医療B(第3項先進医療)の技術」を表しています。
実施医療機関
| 都道府県 | 医療機関名 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 東京慈恵会医科大学附属病院 | 〒105-8471 港区西新橋3-19-18 | 03-3433-1111 |
| 神奈川県 | 東海大学医学部付属病院 | 〒259-1193 伊勢原市下糟屋143 | 0463-93-1121 |
| 石川県 | 国立大学法人金沢大学附属病院 | 〒920-8641 金沢市宝町13-1 | 076-265-2000 |
| 金沢医科大学病院 | 〒920-0293 河北郡内灘町大学1-1 | 076-286-3511 | |
| 石川県立中央病院 | 〒920-8530 金沢市鞍月東2-1 | 076-237-8211 | |
| 静岡県 | 静岡県立静岡がんセンター | 〒411-8777 駿東郡長泉町下長窪1007番地 | 055-989-5222 |
| 浜松医科大学医学部附属病院 | 〒431-3192 浜松市東区半田山1-20-1 | 053-435-2111 | |
| 三重県 | 三重大学医学部附属病院 | 〒514-8507 津市江戸橋2-174 | 059-232-1111 |
| 鹿児島県 | 鹿児島大学病院 | 〒890-8520 鹿児島市桜ヶ丘8-35-1 | 099-275-5111 |