ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術
基本情報
- 先進医療技術名
ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術*
はいぱーどらいひとかんそうようまくをもちいたげかてきさいけんじゅつ
- 適応症
再発翼状片(増殖組織が角膜輪部を超えるものに限る。)
- 療養内容
翼状片は、白目の一部が黒目に伸びてきたように見える病気です。これは、白目の表面をおおっている結膜の下のテノン嚢(のう)の線維芽細胞が異常増殖して、黒目の表面の角膜に侵入して発症します。 翼状片は、重症化すると、不正乱視や矯正視力の低下を招く恐れがあり、根本治療には手術が必要です。さらに、手術しても再発することが多く、とくに若年者に発症した場合には再発の可能性がきわめて高いとされています。再発すると、結膜嚢が縮んだり目を動かす筋肉との癒着により、目の動きが制限される眼球運動障害が起こるなど、QOL(生活の質)が著しく低下します。 再発翼状片に対してこれまでは、患者さん自身の正常な結膜を移植する治療が行われており、結膜移植が難しい場合には、妊婦さんから提供してもらい凍結保存しておいた羊膜を使って治療してきました。しかし、羊膜の機能を保持するために-80℃という特別な冷凍保存や、毒性のある保存液を必要としていました。 この先進医療は、再発翼状片の患者さんに対して、従来の羊膜に代わり、ハイパードライヒト乾燥羊膜(HD羊膜)を用いて外科的再建を行うものです。 HD羊膜は、真空・遠赤外線・マイクロウェーブを組み合わせた新規乾燥法で作製します。抗炎症効果や、結膜などの修復に必要な細胞の伸展を促進させる効果をもっており、滅菌処理により感染リスクが著しく軽減された安全な材料です。従来の羊膜のような冷凍保存やそのための装置、毒性のある保存液を使わずに済みます。 切除した再発翼状片の部位にHD羊膜を添付して、テノン嚢からの線維芽細胞の再度の伸展を抑制します。その結果、結膜嚢が縮んだり、目を動かす筋肉との癒着を防止して、術後の眼球運動障害の回避が期待されます。
- 療養の分類
外科療法
- 部位の分類
感覚器系
- ※「*」印が付いている医療技術は、「先進医療B(第3項先進医療)の技術」を表しています。
実施医療機関
| 都道府県 | 医療機関名 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 山形県 | 国立学校法人 山形大学医学部附属病院 | 〒990-9585 山形市飯田西2-2-2 | 023-633-1122 |
| 富山県 | 富山大学附属病院 | 〒930-0194 富山市杉谷2630 | 076-434-2315 |
| 福井県 | 福井大学医学部附属病院 | 〒910-1193 吉田郡永平寺町松岡下合月23-3 | 0776-61-3111 |
| 島根県 | 松江赤十字病院 | 〒690-8506 松江市母衣町200 | 0852-24-2111 |
| 島根大学医学部附属病院 | 〒693-8501 出雲市塩冶町89-1 | 0853-23-2111 | |
| 広島県 | 広島大学病院 | 〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 | 082-257-5555 |
| 高知県 | 高知大学医学部附属病院 | 〒783-8505 南国市岡豊町小蓮185番地1 | 088-866-5811 |
| 長崎県 | 長崎大学病院 | 〒852-8501 長崎市坂本1-7-1 | 095-819-7200 |
| 大分県 | 大分大学医学部附属病院 | 〒879-5593 由布市挾間町医大ヶ丘1-1 | 097-549-4411 |