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脂肪組織由来の多系統前駆細胞を用いた歯周組織再生療法
基本情報
- 先進医療技術名
脂肪組織由来の多系統前駆細胞を用いた歯周組織再生療法*
しぼうそしきゆらいのたけいとうぜんくさいぼうをもちいたししゅうそしきさいせいりょうほう
- 適応症
重度歯周炎(従来の歯周組織再生療法ではその治療に係る効果が認められないものに限る。)
- 療養内容
歯周炎が重度になると歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊されて欠損することから、成人が歯を失う最大の原因となっています。患者さん自身のブラッシングなどセルフフケアとともに、歯科で歯周病菌などの塊である歯垢や歯石などを歯面や歯根から取り除くことが治療の基本になりますが、改善しなければ、歯槽骨などの歯周組織の再生をめざす治療が行われます。
ただし、従来の歯周組織再生療法では、歯周組織を再生させるための空間を保持することが困難で、再生させるための薬剤の形状が安定しにくいという課題がありました。
この先進医療では、まず、患者さん自身の腹部の皮下脂肪組織を採取して、専門施設で多系統前駆細胞(さまざまな細胞になることができる幹細胞)を取り出し、培養します。そのうえで、手術で歯石などの病変を取り除き、多系統前駆細胞を歯科用骨補填材とあわせて歯周組織の欠損部分に移植し、歯周組織を再生させます。
適応症は歯周組織の欠損が進んだ重度の歯周炎で、従来の歯周組織再生療法では治療効果が得られないケースです。
脂肪組織から取り出した多系統前駆細胞に歯科用骨補填材をあわせることなどで従来の歯周組織再生療法の課題を克服し、歯周組織を再生させて歯を失うリスクを低減させるほか、咀しゃく能力を向上させて患者さんのQOL(生活の質)を向上させることが期待されます。
- 療養の分類
歯科治療 再生医療
- 部位の分類
歯科・口腔(外科)系
- ※「*」印が付いている医療技術は、「先進医療B(第3項先進医療)の技術」を表しています。
実施医療機関
確認日現在において、当該医療技術について実施している医療機関、あるいは掲載を希望する医療機関はありません。最新情報については、 厚生労働省ホームページによりご確認ください。