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自家膵島移植術

基本情報

先進医療技術名

自家膵島移植術

じかすいとういしょくじゅつ
適応症

慢性膵炎(疼痛を伴うものであって、従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。)または膵動静脈奇形(従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。)

療養内容

膵臓には、膵液を分泌して食べ物を消化する働きと、インスリンを分泌して血糖をコントロールする働きがあります。インスリンを分泌するのは膵島(島のように見える細胞群)であり、治療のために膵臓全体を摘出してしまうと膵島も失われ、血糖がコントロールできずに、ほとんどの場合、糖尿病を発症します。
適応症のうち慢性膵炎では、炎症により腹部や背中などに痛みを伴うことがあり、痛みの除去のために膵臓を全摘出することもあります。
もう一つの適応症である膵動静脈奇形は、膵臓内で動脈と静脈が交わってしまうことで異常な血管の塊ができる病気であり、急性・慢性膵炎を合併する場合もあります。異常な血管の塊が膵臓全体に広がると、膵臓を全摘出することになります。
この先進医療は、治療で膵臓を全摘出した際に、膵臓から患者さん自身の膵島だけを取り出し、点滴の要領で患者さんの肝臓に移植して戻す治療法です。膵臓を摘出しても血糖コントロールを行う膵島を戻すことで、膵臓の炎症や痛みを抑えつつ糖尿病の発症を防ぎ、発症した場合も血糖コントロールが容易になることが期待されます。

療養の分類

移植医療

部位の分類

消化器系

実施医療機関

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