先進医療ナビ
ゲムシタビン静脈内投与、ナブ―パクリタキセル静脈内投与およびパクリタキセル腹腔内投与の併用療法
基本情報
- 先進医療技術名
ゲムシタビン静脈内投与、ナブ-パクリタキセル静脈内投与およびパクリタキセル腹腔内投与の併用療法*
げむしたびんじょうみゃくないとうよ、なぶ‐ぱくりたきせるじょうみゃくないとうよおよびぱくりたきせるふくくうないとうよのへいようりょうほう
- 適応症
腹膜播種(はしゅ)を伴う膵臓がん
- 療養内容
胃や腸など、腹部の臓器は腹膜という膜に包まれています。膵臓を含め、腹部の臓器にできたがんが、臓器の壁を突き破ってしまった場合、腹膜の中に、種をまいたようにがん細胞が飛び散ってしまうことがあります。これが腹膜播種です。腹膜播種があると、抗がん薬を内服したり血管に注入するだけでは、治療効果が出にくいとされています。 この先進医療では、抗がん薬のゲムシタビンとナブ-パクリタキセルをどちらも点滴で静脈内に投与し、さらに抗がん薬のパクリタキセルを腹腔内、すなわち腹膜の中に点滴で投与します。腹腔内に抗がん薬を直接投与することで、腹膜の中に飛び散ったがん細胞にも薬の成分が届きやすくなります。
従来の治療法であるゲムシタビン単独投与に比べて、ゲムシタビンとナブ-パクリタキセルを併用すると治療効果が上がるとされています。パクリタキセルの腹腔内投与とほかの抗がん薬との併用でも治療成績の向上が報告されています。
一方、膵臓がんは早期発見が難しく、切除手術の適応とならない状態で見つかることが多いのが実情です。このため、抗がん薬などの薬剤による治療にいっそう大きな期待がかかっています。この先進医療による「ゲムシタビンとナブ‐パクリタキセルの静脈内投与」「パクリタキセルの腹腔内投与」の併用で、従来の治療法に比べて生存期間の延長やQOL(生活の質)の改善をはじめとする治療成績の向上が期待されます。
- 療養の分類
薬物療法
- 部位の分類
消化器系
- 悪性腫瘍(がん)の分類
消化器系のがん
- ※「*」印が付いている医療技術は、「先進医療B(第3項先進医療)の技術」を表しています。
実施医療機関
| 都道府県 | 医療機関名 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 国家公務員共済組合連合会 斗南病院 | 〒060-0004 札幌市中央区北4条西7丁目3-8 | 011-231-2121 |
| 栃木県 | 自治医科大学附属病院 | 〒329-0498 下野市薬師寺3311-1 | 0285-44-2111 |
| 東京都 | 東京大学医学部附属病院 | 〒113-8655 文京区本郷7-3-1 | 03-3815-5411 |
| 順天堂大学医学部附属順天堂医院 | 〒113-8431 文京区本郷3-1-3 | 03-3813-3111 | |
| がん研究会 有明病院 | 〒135-8550 江東区有明3-8-31 | 03-3520-0111 | |
| 神奈川県 | 神奈川県立がんセンター | 〒241-8515 横浜市旭区中尾2-3-2 | 045-520-2222 |