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インターフェロンα皮下投与およびジドブジン経口投与の併用療法

基本情報

先進医療技術名

インターフェロンα皮下投与およびジドブジン経口投与の併用療法

いんたーふぇろんあるふぁひかとうよおよびじどぶじんけいこうとうよのへいようりょうほう
適応症

成人T細胞白血病リンパ腫(略称:ATL)(症候を有するくすぶり型または予後不良因子を有さない慢性型のものに限る。)

療養内容

成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は血液のがんの一種で、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染が原因で起こります。主な感染経路は、母乳による母子感染や性行為、輸血などです。
日本国内のHTLV-1感染者は約100万人と推定され、そのなかから1年当たり1000人に1人の割合で、ATLを発症するといわれています。主な症状は、全身のリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れ、皮膚の赤い発疹やしこり、下痢、腹痛などで、悪化すると全身倦怠感(けんたいかん)や意識障害などが起こることがあります。
ATLは、「急性型」「リンパ腫型」「慢性型」「くすぶり型」に分類され、慢性型はさらに、予後不良因子があるかないかによって分けられます。治療はこの分類によって異なり、悪性度の高い急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型に対しては、化学療法などを行います。
一方、悪性度の低いくすぶり型と予後不良因子を有さない慢性型は化学療法などは行わず、経過観察をするのが基本です。しかし、急性転化といって、途中で急性型やリンパ腫型へ移行することがあります。この場合は早急に治療を開始します。
これまでは、急性転化を防いだり遅らせたりする方法がなく、悪性度の低いATLと診断されても、急性転化により、5年後に生存しているのは、約半数という報告があります。
この先進医療は、症候を有するくすぶり型、または予後不良因子を有さない慢性型のATLの患者さんに対して、ウイルスや腫瘍細胞の増殖を抑えるインターフェロンαの皮下投与と、抗ウイルス薬のジドブジンの内服投与を行うものです。最初の10日間は入院し、以後は通院して治療を行います。この治療により、症状の緩和、急性転化の防止と生存の延長をもたらすことが期待されます。

療養の分類

薬物療法

部位の分類

細胞・組織・血液・リンパ球

悪性腫瘍(がん)の分類

血液・リンパのがん

実施医療機関

都道府県医療機関名所在地電話番号
東京都国立研究開発法人
国立がん研究センター中央病院
〒104-0045
中央区築地5-1-1
03-3542-2511
福岡県産業医科大学病院〒807-8556
北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
093-603-1611