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アスピリン経口投与療法

基本情報

先進医療技術名

アスピリン経口投与療法

あすぴりんけいこうとうよりょうほう
適応症

家族性大腸腺腫症

療養内容

家族性大腸腺腫症は、がんを抑制するAPC遺伝子の病的な変異により、大腸に腺腫(ポリープの一種)が多発する病気です。大腸腺腫が100個以上あった場合、家族性大腸腺腫瘍と診断されます。
腺腫は良性であるものの、一定以上大きくなるとがん化することがわかっています。家族性大腸腺腫症では、10~20歳頃に腺腫ができ始め、20代から大腸がんの発症がみられ、放置すれば60代にはほぼ全員が大腸がんを発症するとされています。これまでこうした大腸がんの発症を防ぐには、20代で大腸をすべて摘出する治療法しかなく、その後の患者さんのQOL(生活の質)の低下が問題となっていました。
この先進医療は、家族性大腸腺腫症で大腸切除術を受けておらず(虫垂切除術を除く)、5mm以下の腺腫を内視鏡ですべて取り除いた患者さんに対し、低用量(少量)のアスピリンを2年間にわたって毎日経口投与する治療法です。低用量アスピリンは、抗血栓剤、抗凝固剤としての利用が認められていますが、抗炎症、抗酸化、細胞の分化や増殖を抑制する作用があると考えられ、家族性大腸腺腫症に対しては、短期間(8ヵ月)の投与で大腸腺腫の増大リスクを6割減少させる効果がすでに確認されています。
この先進医療で家族性大腸腺腫症における治療の選択肢が増え、腺腫の増大化を抑えることにより大腸がんの発症を防ぐ、就職や出産など患者さんのライフステージに合わせて大腸切除の手術を行うことができるなどが期待されます。

療養の分類

薬物療法

部位の分類

消化器系

実施医療機関

都道府県医療機関名所在地電話番号
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札幌市中央区南1条西16-291
011-611-2111
旭川医科大学病院〒078-8510
旭川市緑が丘東2条1-1-1
0166-65-2111
東京都国立研究開発法人
国立がん研究センター中央病院
〒104-0045
中央区築地5-1-1
03-3542-2511
がん研究会 有明病院〒135-8550
江東区有明3-8-31
03-3520-0111
石川県石川県立中央病院〒920-8530
金沢市鞍月東2-1
076-237-8211
愛知県愛知県がんセンター〒464-8681
名古屋市千種区鹿子殿1-1
052-762-6111
京都府京都府立医科大学附属病院〒602-8566
京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
075-251-5111
京都大学医学部附属病院〒606-8507
京都市左京区聖護院川原町54
075-751-3111
大阪府地方独立行政法人大阪府立病院機構
大阪国際がんセンター
〒541-8567
大阪市中央区大手前3-1-69
06-6945-1181
石川消化器内科〒541-0042
大阪市中央区今橋3-2-17 緒方ビル2F
06-6202-6566
近畿大学病院〒589-8511
大阪狭山市大野東377-2
072-366-0221
兵庫県兵庫医科大学病院〒663-8501
西宮市武庫川町1-1
0798-45-6111
広島県広島大学病院〒734-8551
広島市南区霞1-2-3
082-257-5555
徳島県徳島大学病院〒770-8503
徳島市蔵本町2-50-1
088-631-3111
愛媛県独立行政法人国立病院機構
四国がんセンター
〒791-0280
松山市南梅本町甲160
089-999-1111