脊髄髄膜瘤手術 *
(せきずいずいまくりゅうしゅじゅつ)
脊髄髄膜瘤(胎児期の患者に係るものに限る。)
脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)とは、先天的に脊髄が体の表面に露出している状態で、2,000人に一人の割合で生じるとされています。これに対して、生後1〜2日目という新生児期に、露出している髄膜瘤を閉じる手術を行うのが標準治療です。
この手術では髄膜瘤の感染(髄膜炎)の予防が可能ですが、子宮内で羊水にさらされていることによる刺激、胎動や子宮収縮などにより、脊髄の神経が損傷を受けます。そのため、生まれたときには足の運動能力低下や膀胱や直腸の障害を伴っていたり、脳内に髄液が貯まる水頭症を伴うキアリU型奇形とよばれる脳の奇形を合併したりすることが高頻度で起こります。
一方、近年の研究で、胎児期に髄膜瘤を閉鎖する手術を行って、髄膜瘤を羊水から早期に遮断すると、脊髄神経の損傷を軽減できることが明らかになってきました。
この先進医療は、従来、新生児期に行っていた髄膜瘤を閉じる手術を、母体のお腹と子宮を切開し胎児に対して行い、その後胎児を子宮に戻すという治療法です。
適応症は脊髄髄膜瘤であり、そのうちの胎児期の患者に限られます。
この先進医療により、脊髄神経の損傷が軽減され、水頭症を改善させるための脳室腹腔シャントという治療の必要率が下がります。それにより、キアリU型奇形に伴う小脳扁桃下垂という症状が起こる頻度が少なくなり、足の運動機能が低下するリスクが減って、独立歩行ができる割合が高くなることなどが期待されます。
外科療法
神経系
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