脂肪組織由来の多系統前駆細胞を用いた歯周組織再生療法 *
(しぼうそしきゆらいのたけいとうぜんくさいぼうをもちいたししゅうそしきさいせいりょうほう)
重度歯周炎(従来の歯周組織再生療法ではその治療に係る効果が認められないものに限る。)
歯周炎が重度になると歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊されて欠損することから、成人が歯を失う最大の原因となっています。患者さん自身のブラッシングなどセルフフケアとともに、歯科で歯周病菌などの塊である歯垢や歯石などを歯面や歯根から取り除くことが治療の基本になりますが、改善しなければ、歯槽骨などの歯周組織の再生をめざす治療が行われます。
ただし、従来の歯周組織再生療法では、歯周組織を再生させるための空間を保持することが困難で、再生させるための薬剤の形状が安定しにくいという課題がありました。
この先進医療では、まず、患者さん自身の腹部の皮下脂肪組織を採取して、専門施設で多系統前駆細胞(さまざまな細胞になることができる幹細胞)を取り出し、培養します。そのうえで、手術で歯石などの病変を取り除き、多系統前駆細胞を歯科用骨補填材とあわせて歯周組織の欠損部分に移植し、歯周組織を再生させます。
適応症は歯周組織の欠損が進んだ重度の歯周炎で、従来の歯周組織再生療法では治療効果が得られないケースです。
脂肪組織から取り出した多系統前駆細胞に歯科用骨補填材をあわせることなどで従来の歯周組織再生療法の課題を克服し、歯周組織を再生させて歯を失うリスクを低減させるほか、咀しゃく能力を向上させて患者さんのQOL(生活の質)を向上させることが期待されます。
歯科治療 再生医療
歯科・口腔(外科)系
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