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超音波検査で腹部などに接触させる器具をプローブと言います。プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡(pCLE)では、専用のプローブを消化管内視鏡スコープの先端につけ、口から胃まで入れて胃粘膜の表面(上皮)に接触させて病変の診断を行います。
この先進医療ではフルオレセインという造影剤(ぞうえいざい)を静脈注射したうえで、pCLEにより胃上皮を観察します。一般的な拡大内視鏡の倍率は100倍程度ですが、pCLEはプローブを病変部に接触させることで1,000倍の拡大組織像を観察できるようになります。高い拡大率により、病変組織の一部を採取して顕微鏡で観察する組織診、いわゆる生検並みの検査が可能になります。
適応となるのは、胃上皮の病変であり、内視鏡検査で早期胃がんと診断または疑われるケース、あるいは早期胃がんで内視鏡治療を受けて40週以上経過しているケースです。
これまで早期胃がんを内視鏡治療で切除するときには、切除すべき範囲の決定は生検の病理診断による場合があり、生検が複数回必要になることもありました。この先進医療による画像診断で病変組織を高精度で観察できれば、生検の実施数を減らすことが可能になります。生検のためには腹部に細い針をさすことになりますが、これが不要となって、患者さんの体への負担を軽減し、生検のための病理検体を減らして医療経済的にもメリットがあると考えられます。
また、病変組織が悪性か良性かをリアルタイムに診断できることで、切除すべき範囲の診断が時間的にも経済的にも最適化されることが期待されます。 |