子宮内細菌叢検査１
(しきゅうないさいきんそうけんさいち)

慢性子宮内膜炎が疑われるもの

慢性子宮内膜炎とは、子宮内膜まで細菌が侵入して炎症が起こり、持続している状態をいいます。慢性子宮内膜炎や子宮内細菌叢（子宮内フローラ、子宮内の細菌の集まり）の異常は、体外受精などの生殖補助医療を受けている患者さんでは約３０％、反復着床不全や不育症の患者さんでは６０％以上に見られるといわれています。
この先進医療は、子宮内細菌叢が妊娠に適した状態かどうかを調べる検査法です。吸引式子宮内膜組織採取器を使い子宮内膜を含む子宮内腔液を採取し、子宮内腔液の細菌を直接検出できる次世代シークエンサー（細菌を遺伝子レベルで解析する装置）で子宮内腔液の細菌を解析します。子宮内に存在する細菌は腟よりも極めて少なく、２０〜６０％の細菌は培養では検出できないといわれていますが、この技術では細菌データバンクに登録されているすべての菌種を調べることができます。また、子宮内膜炎の罹患やそのリスク、存在している細菌のバランスや量までわかります。
これらの検査で子宮内細菌叢の異常などが見つかった場合、生殖補助医療に入る前に、まず生活指導や抗菌薬治療を行うことが検討されます。
この先進医療により、子宮内が妊娠に適正な環境かどうかを判断のうえ妊娠をめざすことで、着床率や妊娠継続率の向上と流産率の低下が期待されます。

検査・診断・評価

生殖器系