インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により、発熱や頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛などが突然現れ、続いて咳や鼻汁といった上気道炎の症状が出るのが特徴です。いわゆる「かぜ」に比べ、全身症状が強く現れることが多く、とくに子どもや高齢者では重症化しやすく、命に関わるケースもあります。このため、少しでも早くインフルエンザウイルスの有無を検査し、治療を開始することが重要とされています。
従来のインフルエンザウイルスの検査は、滅菌綿棒を鼻の奥深くに挿入し、粘膜をこすって得られた鼻腔ぬぐい液を検体としています。この検査法は感度が十分でなく、ウイルス量の少ない感染初期には陰性になる場合があります。また、鼻の奥深くへの綿棒の挿入を苦痛に感じ、患者さんが検査を拒む事例もあります。
この先進医療の糖鎖ナノテクノロジーを用いた検査法は、従来の検査法に比べわずかな量のウイルスにも反応するため、ウイルス量が少ない唾液や鼻汁を検体にできます。唾液や鼻汁なら苦痛なく採取でき、高感度の反応でインフルエンザの素早い診断が可能になり、早期に適切な治療を開始することで治療効果の向上が期待されます。 |