膠芽腫は悪性脳腫瘍の一種で、悪性度が高く、とても治療が難しいがんです。手術で可能な限り腫瘍を摘出し、術後に放射線療法やテモゾロミドという抗がん薬を用いた化学療法を行いますが、再発したり、病状が悪化したりすることが少なくありません。
再発した場合、可能であれば再手術や放射線療法を検討するほか、ベバシズマブやテモゾロミドなどの抗がん薬を使用します。しかし、治療成績が十分ではないうえ、ベバシズマブを用いた後に再発すると、治療の効果が得られにくく、予後が極めて不良とされています。
この先進医療は、膠芽腫が初めて再発したときに、薬事承認された用量より多くテモゾロミドを投与するものです。このテモゾロミド用量強化療法は、ベバシズマブを用いた治療と同等の効果があるという欧米の研究結果があります。また、初回再発時の治療で、ベバシズマブを使用する前にテモゾロミド用量強化療法を行うことで、初回再発後の生存期間の延長を示唆する報告もあり、再発膠芽腫の予後の改善が期待されます。 |