肝臓でつくられた胆汁が流れている胆管のうち、肝臓からの出口付近「肝門部」に発生したがんが肝門部胆管がんです。
このがんの多くは、診断時にはすでに切除が困難、または不可能になるほど進行しています。なかでも切除が不可能なケースでは、5年生存率が非常に低い割合にとどまっており、薬物療法による延命効果は数ヵ月単位とされています。
このような患者さんに対する肝移植は、欧米を中心に治療成績の向上が報告されています。肝移植で患者さんの肝臓全体を摘出すれば、肝臓内のがんも摘出できます。
この先進医療は、切除が不可能な肝門部胆管がんの患者さんに生体肝移植を行う治療法です。術前の治療で病変が3ヵ月以上コントロールされていることや、主要臓器の機能が保持されていることなどに該当する患者さんが対象となります。
この先進医療でがんを肝臓ごと摘出し移植することで、5年生存率の向上をはじめとする生命予後の改善が期待されます。 |