薬物療法では効果がなく治療が難しいうつ病は、治りかけても悪化しやすく、また症状が改善しても再発しやすいため、改善効果を維持する治療が求められていました。
現在、薬物治療では効果がない中等症以上の成人うつ病の急性期治療として、反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS療法:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)が保険適用になっています。この治療は、頭部にあてた機器(刺激コイル)に電流を通して磁場を発生させ、その磁場に伴う渦(うず)電流で脳のうつ病に関わる領域を刺激します。これを繰り返し行うことより、うつ病を改善させます。
この先進医療は、反復経頭蓋磁気刺激療法の効果を維持するため、維持期の治療として引き続きこの治療を行うものです。治療期間は1年間で、前半の6ヵ月は1週間に1回、後半の6ヵ月は隔週に1回の頻度で脳への刺激を行います。
この先進医療の適応となるのは、急性期に保険適用の反復経頭蓋磁気刺激療法(最大6週間、合計30回)を受けて治療効果が認められた、薬物療法では効果がない患者さんです。
この先進医療で、薬物療法では効果がなく、治療が難しいうつ病の悪化や再発を抑制することが期待されます。 |