大腿骨頭(だいたいこっとう:大腿骨の上についている丸い部分)の一部が、血流が悪くなることで壊死(えし:死んだ状態)に陥った状態が大腿骨頭壊死です。
大腿骨頭壊死症では、病気が進行して壊死した部分がつぶれると(圧潰:あっかい)、痛みが出たり関節機能も障害されたりして、日常生活の動作が制限されるようになります。このため、大腿骨頭の圧潰を抑制することが重要ですが、そのための治療法はまだありません。特発性大腿骨頭壊死症は国が指定した難病の一つです。
この先進医療は、患者さん自身の骨盤の骨(腸骨)から採取した骨髄液を濃縮した後に、大腿骨頭壊死を起こした部分に注射で移植する療法です。
適応症は、大腿骨の両側が原因の分からない(特発性)大腿骨頭壊死症に罹患し、片側は圧潰して人工股関節全置換術を予定、もう片側はつぶれていないケースで、つぶれていない側に移植を行います。
この先進医療では、骨髄液がもつ治癒能力や組織修復能力により骨組織の再生が促され、骨の圧潰が抑制される効果が期待できます。 |